治療内容のご案内
赤ちゃんの検査
当院でお生まれになった赤ちゃんには、以下の検査を行っています
先天性代謝異常スクリーニング(タンデムマス法)
フェニルケトン尿症などの先天性代謝異常等の赤ちゃんは、生まれた時は健康に見えても適切な対応をとらないと身体障害や発達の遅れが発生したり、時には生命の危険にさらされる場合もあります。
しかし、これらの病気は早期に発見し、適切な治療を続ければ障害などの発生を未然に防ぐことができます。
神奈川県・横浜市・川崎市・相模原市では、平成23年10月1日よりこの検査法を導入し、以下19の病気の検査を行うことになりました。
アミノ酸代謝異常 (5疾患)
フェニルケトン尿症、メープルシロップ尿症、ホモシスチン尿症、シトルリン血症1型、アルギニノコハク酸尿症
有機酸代謝異常 (7疾患)
メチルマロン酸血症、プロピオン酸血症、イソ吉草酸血症、メチルクロトニルグリシン尿症、ヒドロキシメチルグルタル酸(HMG)血症、複合カルボキシラーゼ欠損症、グルタル酸血症1型
脂肪酸代謝異常 (4疾患)
中鎖アシルCoA脱水素酵素(MCAD)欠損症、極長鎖アシルCoA脱水素酵素(VLCAD)欠損症、三頭酵素(TFP)/長鎖3-ヒドロキシアシルCoA脱水素酵素(LCHAD)欠損症、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ-1(CPT1)欠損症
その他(3疾患)
ガラクトース血症、先天性甲状腺機能低下症(中枢性を含む)、先天性副腎過形成症
検査は生後5~8日に赤ちゃんのかかとから少量の血液を採取し検査を行います。具体的には、ランセットという採血専用のカッターで赤ちゃんの足底の皮膚を数ミリ切り、滲み出る血液の数滴を採血濾紙に画いてある4つの直径1センチほどの円全てに染み込ませますが、全部でわずか0.12ml程度の血液です。切り口は絆創膏などを貼って清潔にしておけば数日で治ります。血液を染み込ませた濾紙は、当院より検査センターに郵送します。その結果は、1ヶ月検診の際に説明いたします。
この検査に要する費用は大きく分けて、検査料と採血料となり、検査料は無料(公費負担)ですが、採血料はご負担頂いております。
新生児ABR聴力検査
"新生児ABR聴力検査"は、赤ちゃんに負担をかけずに正確に判断できる聴力検査法です。赤ちゃんの聴覚障害は、早期発見、早期治療が大切です。
赤ちゃんにとって、言葉を覚え、話すためには、耳で音を聞く事が重要です。人間の脳は2才までに言葉を認知する発育を終えてしまいます。したがって難聴の赤ちゃんは、できるだけ早い時期にそれを発見し、適切な訓練・治療を行うことが大切です。聴覚障害児の発症頻度は1,000例に対して1~2例と言われています。
当院では入院中に御希望に応じ、新生児ABR聴力検査を行っています。結果はすぐに判明するので、入院中にその結果をお知らせしています。 検査料金は5,000円となります。(26年7月1日以降分娩の方より)
先天性胆道閉鎖症検査(USBA検査)
先天性胆道閉鎖症は小児三大難病の一疾病です。早期発見、早期手術がその予後を大きく改善します。母子手帳にも注意書きがありますが、黄疸のほとんどが正常な『母乳性黄疸』であることから、見過ごされたり、尿が混じる事で黄色の便に気付かなかったりして放置されてしまう例もあります。生後60日以内に手術しなければ生命の危機と言われています。もちろん状況はその赤ちゃんによって異なり、一律には言えませんが、早ければそれだけ良い肝臓機能に戻れるわけです。USBA検査は「赤ちゃんのおしっこ」で先天性胆道閉鎖症の有無を鑑別します。
御希望の方には退院時、採尿バックをお渡しし、次回の母児検診の際に持参して頂いています。検査料金は3,000円となります。